Dgt Magazine
2019年11月6日
- Dgt Magazine
- Dgt Magazine
- 職種
- DGT People
- 技術部
【決意表明vol.2】技術部部長が語る、ゲームの可能性を拡げる“サービスリードエンジニア”集団とは
株式会社 DeNA Games Tokyo(以下、DGT)は、『ゲームの可能性を拡げる』を事業ビジョンに掲げる、アプリ・ブラウザゲーム運営に特化したスペシャリスト集団です。
DGTは、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)が開発した大規模タイトルを、ノウハウの継承のみならず、“ユーザーファースト”の視点から、新しい体験・驚き・おもしろさを追求して昇華させるべくゲーム運営を行なっています。そして今回は、とにかくおもしろさへ関与する姿勢にこだわり、業界のゲームチェンジを起こすような『世界一のサービスリードエンジニア組織』を目指す技術部 部長・平岡洋祐(ヒラオカ ヨウスケ)が、マネジメントの考え方やこれから取り組んでいく組織作りについて語ります。
「今作っているものは本当に面白いのか?」を徹底的に議論し、ユーザー体験(UX)のあり方にまで関与することでサービスを引っ張るエンジニア組織を作るべく奔走する技術部 部長・平岡の人柄を知りたい方はこちらから。
https://www.wantedly.com/companies/denagames-tokyo/post_articles/156640
“サービスリードエンジニア”はエンジニアリングだけではなくサービスの価値全体に関与する存在
ーー改めて“サービスリードエンジニア”とはどのようなエンジニアなのか教えていただけますか。
ユーザー体験(UX)をいかに高められるか、今後サービスをどのように展開していくべきなのかという視点を開発に活かすことができるエンジニアのことを“サービスリードエンジニア”と呼んでいます。
仕様通りにコードを書いたり、技術的なチャレンジをしたりすることは重要なことですが、そこに留まるのではなくエンジニア視点でサービスを牽引していくことができる集団になりたいと思っています。
ーーエンジニアに対しては技術力を求める企業が多い中で、“サービスリードエンジニア”がいなければ実現できないことは何だと思いますか。
シンプルに、“サービスリードエンジニア”がいないとプロダクトが劣化しますね。
ーーインパクトの強い言葉ですね。それはなぜなのでしょうか。
プランナーが仕様を作成し、エンジニアがコードを書くのがよくあるプロセスです。
ただ、そもそもプランナーは、プロダクトを開発する上でどのような技術的な制約があるかを詳細まで理解しているわけではありません。プランナーにとって技術領域は自身の専門分野ではないのですから当然ですよね。
だからこそ、エンジニアとプランナー双方の観点をサービスに反映していくことが重要だと考えています。そもそもプランナーから与えられた業務をやるだけなんて、僕は楽しいとも思えないですしね。
ーープランナーとエンジニアの掛け算が必要なわけですね。
そういうことです。これができないと新しい価値を創造することは難しいですし、DGTがビジョンとして掲げる『ゲームの可能性を拡げる』こともできません。
ーーなるほど。ふと思ったのですが、現代社会にはどのくらい“サービスリードエンジニア”が存在しているのでしょうか。
意識している方は大勢いらっしゃると思いますし、取り組んでいる方もいるとは思います。僕の主観ではありますが、一般的に”サービスリード”というと、顧客折衝や要件定義のような、エンジニアリング以外の工程を担うことをイメージされやすいのではないかと思います。
しかし、我々が思い描く”サービスリードエンジニア”とは、テクノロジーによって事業やサービスをドライブさせていくという姿をイメージしており、そういった価値の発揮を出来ているエンジニアはまだまだ少ないように感じます。
ーー業界の中で貴重な存在になれるわけですね。ちなみに“サービスリードエンジニア”だからこそ体験できるやりがい・おもしろさを教えてください。
UXの向上などサービスの価値向上に直結する業務が多く、自らの動き方次第でサービスそのものの変化や、さらには業界全体のゲームチェンジを起こせる可能性が大いにあることがおもしろさの一つです。
また、今後はテクノロジーの進化により、現在先端技術といわれている技術が高速でコモディティ化(一般化)していくと考えられるため、エンジニア職では”事業に貢献できる人”と”テクノロジーの進化に貢献できる人”の二極化が進むのではないかと考えています。
だからこそサービスや事業をドライブさせられる場所で活躍することは、エンジニア職の生存戦略の1つとして価値がある経験になるのではないでしょうか。
技術的なチャレンジを推奨し、サービス価値向上のための引き出しを増やす
ーー平岡さんが技術部部長として、“サービスリードエンジニア集団”を作るために取り組んできたことを教えていただけますか。
大きくは2つあって、自己研鑽に向けた空気作りと、既存のサービス成長の延長線上には無い技術的なチャレンジの促進です。
ーーでは、自己研鑽に向けた空気作りをするための取り組みからお聞かせいただけますか。
部内のメンバー同士がスキルの研鑽をしていけるよう、技術発信に特化したコミュニケーションツールを使っています。イメージとしては、Qiitaの社内版ですね。
そこで各プロジェクト毎に毎月1本は技術系の記事を書いて共有し合うルールにしています。実際にこの施策を始めてから組織全体に「勉強しなきゃ」という空気感は感じるようになりました。
あと「求められるプログラムを書いて終わりはやめよう」「おもしろいことをしているのなら社内外に発信しよう」と言い続けています。その方が市場価値の高いエンジニアになれるし、シンプルにおもしろいですよね。
ーーおもしろさへのこだわり、徹底していますね。2つ目の既存のサービス成長の延長線上には無い技術的なチャレンジの促進について、どんなことに取り組んでいらっしゃるのですか。
ゲームの主流がブラウザからアプリに変化したように、日々トレンドは変わっています。
そのなかでサービスをリードするために、エンジニアの引き出しを増やす取り組みを行なっています。
例えば、既存の機能開発だけではなく、puppeteerというツールを使って検証の自動化にトライしたり、ARや位置情報を使った機能を取り込んでみたりというチャレンジを行っています。
そのほかに大型IPアプリタイトルにおいて、3Dキャラクターを用いてAR実装してみるなど、今までの通例に捉われず、そのゲームタイトルの従来の取り組みの延長線上にはない進化をもたらすことができるよう組織としてチャレンジしています。
ーー常に新たな技術にチャレンジされているのですね。
はい。もちろん経験値のない取り組みもたくさんあるので、すぐに成果を上げられるものではありませんし、どの技術が正解なのかということもありません。しかし、実績やヒントが見えるまで挑戦し続けることが必要だと考えています。
技術的なチャレンジは失敗しても良いと思っていて、チャレンジして初めてアウトプットできるので、今後も積極的に取り組んでいきます。
ゲーム運営のプロフェッショナル集団として、「ゲームの拡張」に挑む
ーーでは今後ビジョン実現に向けて取り組んでいきたいことはいかがでしょう。
常に発信し続けてはいるのですが、「ゲームの拡張」に取り組んでいきたいです。
ーーゲームの拡張とはどういうことでしょうか。
今でこそアプリゲームが主流になっていますが、ゲームのカタチというのは時代とともに変化し続けています。
ボードゲームや花札、トランプから始まり、ゲームセンターなどにある箱型ゲームから、家で家族や友人と一緒に楽しむコンシューマーゲーム…そのあとモバイルゲームが登場し、今ではプレイヤー同士のコミュニケーションやYouTubeなどのゲーム動画を見て追体験するものまでもゲーム体験の一つになっています。
ーーゲーム体験=ゲームをプレイする、だけではなくなっているのですね。
そうですね、さまざまな登場人物がいて関係性がメタ的なものになっているのが現代のゲームトレンドです。このように時代に合わせてゲーム体験は変わってきています。
移ろいやすい時代の中で、運営のプロフェッショナル集団として、これまでとは異なる新たなゲーム体験を生み出していくという取り組みをしていきたいです。
ーー常にゲームの未来と向き合っている平岡さんですが、今後どのような方と一緒に働きたいですか。
エンターテインメント、ゲーム領域でワクワクできることを本気でやりたいと燃えている人と働きたいですね。
エンターテインメントの世界は、人が生きていく上で必ず必要なものではありません。
なのにこんなに人々の生活に根付いてるのは価値を生んでいるからです。
その世界でワクワクしながら共に未来を描いていこうと思ってもらえる方と働きたいですね。
ーースキル面ではいかがでしょう。
もちろん最低限は考慮しますが、正直スキルは後からでも身につけられることなので想いに勝るものはありません。
DGTの技術部にはゲーム業界出身の方だけでなく、業界未経験者の方もいます。
しかし「おもしろいゲームを作りたい」という想いは一致しているので、そこに対して真剣に本気で取り組めるかが重要だと思っています。
ーー運営に特化しているDGTだからこそ得られる経験にはどんなものがあるのでしょうか。
最も特徴的な経験は、ゲームの遊び方や自らが実装したコード品質など、あらゆる視点でプレイヤーからフィードバックを得られることです。
作ったものが面白くなければ、即座に面白くないという審判が突きつけられますし、コード品質がダメであればすぐにパフォーマンスの劣化という形でフィードバックがあります。
良い点であっても悪い点であってもプレイヤーからの評価を受けられるのは、DGTだからこその経験だと思います。
ーーそういう経験ができるからこそ描けるキャリアパスはあるのでしょうか。
個人的な意見ですが、キャリアパスって幻想だと思ってるんですよね。笑
例えば、入社2年目でリーダー、5年目には課長、10年目に部長のようなフレームには意味がないと考えています。
その役職に就きたくて、かつできるのであれば入社初日から部長になれば良いと思いますし、ずっとプレイヤーとしてエンジニアをやっていても付加価値が高ければ見合った報酬は得られます。
肩書きや役割にこだわらず、どのような能力を自身のなかで積み重ねていきたいのか、どのような人間でありたいのかという自身の意志をいかに形成するかが大事なのではないでしょうか。
少なくともDGTでは、組織が求めるものと本人のやりたいことを擦り合わせ、可能な限りお互いにとって良いと思えるアサインを心がけています。
ーーそれぞれにキャリアパスがあって良いし、自分で決めた方が楽しいですもんね。
世の中の風潮として、「マネージャーにならなきゃいけない」という呪縛にとらわれ過ぎているように感じますね。
技術を徹底的に突き詰めたいのであればスペシャリストの道もありますし、人材育成や組織管理に興味がある方にはマネージャーになるために必要なチャレンジをお任せしていくというスタンスです。
ーー平岡さんはエンジニアの皆さん一人ひとりと真剣に向き合っておられますが、意識しているマネジメントスタンスはあるのでしょうか。
どんな方向性でも良いので、現状に満足することなく高みに登って欲しいという気持ちを常に持っています。
マネジメントを担っている自分としては、メンバーにはエンジニアとしては自分よりすごい存在であって欲しいし、教えて欲しいと思っていますね。そのために良い意味での緊張感やプレッシャーは与えています。
自分を卑下することで逃げ道を作るのではなく、自分に自信を持ってぶつかってきてくれた方が嬉しいです。
ーー平岡さんのお話を聞いて、前向きに楽しくお仕事されている技術部の空気感を少し垣間見ることができたように思います。本日はありがとうございました!