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脱・人依存。評価は「頑張り」ではなく「成果と能力」/TECH PLAY

こんにちは、広報の上原です。

4月27日、TECH PLAYで開催されたエンジニア向けのトークイベント「【20~30代向け】数百万人超のプレイヤーを抱えるゲーム運営ノウハウを大公開!ー長期運営を見越したシステム設計から、タイトル運営における落し穴の回避策、裏話までー」に、技術部部長の平岡洋祐とエンジニア4名が登壇いたしました。

ゲームが運営フェーズに入ったからこそ起こる「あるある!」な話、 長期運営をしているゲームだからこそ培われるノウハウや裏話など、実体験を踏まえてお話させていただきました。

この記事では技術部 部長の平岡洋祐がお話させていただいた、『サービスをリードしていけるエンジニア集団の作り方』についてレポートさせていただきます。

 

サービスをリードしていけるエンジニア集団の作り方

・サービスをリードしていけるエンジニアとは?
今日は自分がマネージャーとしてエンジニア組織を作っているときの観点をお話させていただきたいと思います。作り方とはいっていますが、まだ「こうやって作ろうとしている」という気持ちを持って現在、実行しているという点だけご了承ください。

 

・サービスをリードしていけるエンジニアとは

①プランナーの視点を持ったエンジニア
②事業観点があるエンジニア
③何を作るのかに責任を持てるエンジニア
④面白いを作れるエンジニア

です。「作れる」だけじゃなく、「何を作るか」にまで責任を持てるエンジニア、ということです。

 

この観点は、すべてのエンジニアに必要かというとわからないです。ただ、ゲーム運営を行っているDeNA Games Tokyoのエンジニアには必要ですね。

ゲーム開発の現場では、エンジニアとプランナー、デザイナーが一緒にゲームを作ります。
多くの場合、「何を作るのか」はプランナーが、「どうやって作るのか」はエンジニアが担ってますが、気を抜くとエンジニアはプランナーに言われたものを作るだけの人になりがちです。また、プランナーに溜まった知見がエンジニアに還元されず、一方通行にしかならないのも構造的にはよくないですね。

プログラムの設計って、情報の整理をして、データを設計し、仕様を切り、プログラムを書いていく流れだと思います。これはプランナーが施策のプランニングする際にも役立つと思うので、エンジニアの強みをプランナーに還元するのがいいと思ってます。

また、エンジニアにしか思いつけないこともたくさんあります。


ここに書いてあることは全部できます。ですが、プランナーだけではできるかどうかの判断はできないと思います。だからこそ、プランナーやデザイナーと、どういうものを作っていくか話し合い、関係性を築いていけるエンジニアは強いと思います。

 

・サービスをリードしていけるエンジニア集団の作り方

では、そんなエンジニア集団をどう作っているのか、という話です。ここからの話はマネジメント観点が強くなりますが、観点として大きな柱が3つ、
①採用戦略(人を採用するまで)
②組織戦略(採用した人へのアプローチ)
③評価戦略(その人をどう評価するのか)

です。

※本記事では③のみお伝えいたします。
まず、メンバーに求めるものを求めて成果を上げてくれた時に還元しないと、人は静かに去っていくと思います。適切に評価するのが大切です。けれど、適切っていうのが一番難しいと思います。

DeNA Games TokyoにはJob Gradeというものがあります。「こういうことをできていればこのグレード」という早見表ですね。

なぜ作ったかというと、人依存を減らすためですね。自分が思うに、評価はどこまでいっても人依存です。人が人を評価する以上、完璧な評価は無理だと思っています。

例えば、営業の方がノルマに対して数字をあげたとします。それが完璧に評価できるのかというと、環境要因や取引先のタイミングもあると思うので、定量的におくことはできても、適切な指標かどうかは難しい話だと思います。ただ、どんなに難しいことだとしても、マネージャーとして目指さなきゃいけないと思ってます。

今日聞きに来てくれた人の中でマネージャーでない人もいると思いますが、マネージャーも人間なので、メンバーが能力や成果はもちろん、その頑張りもちゃんと見ています。頑張った人は評価したくなるんです。ですが、そこで評価してしまうと、そのメンバーができることと評価(Job Grade)が乖離してしまうんです。

次の評価のタイミングで本当に成果を出しても、評価があがらないみたいな歪な状態になり、誰にとってもハッピーじゃなくなるんです。頑張りではなく成果と能力を評価するためには、Job Gradeを細かく定義していくのは有用だと感じています。これがサービスをリードしていけるエンジニア集団を作るためにやっていることです。

ご静聴いただきありがとうございました。

 

登壇資料

https://www.slideshare.net/DeNAGamesTokyo/dena-games-tokyo-97978815

 

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